2025.2.16

Chapter2 Beauty or Beast-美女と野獣-

ある大都会で、俳優として成功する夢を追う一人の若者がいた。彼は映画祭で新人賞を受賞し、有頂天になる。しかし、その欲望は留まることを知らなかった。

「もっと有名になりたい。もっと大きな作品に出たい」――その野心から、彼は長年支えてくれたエージェントを一方的に解雇し、恋人を「釣り合わない」と切り捨て、大好きだった児童園のアルバイトも辞める。全ては、有力なエージェントに言われるままに。彼はあらゆる「自分らしさ」を切り捨てていった。

しかし、新しいエージェントは約束した仕事を一本も持ってこず、一年後には「見込み違いだった」と契約を打ち切られる。何もかも失った若者は、復讐に駆られ、魔女の力を借りてエージェントを陥れ、さらに順調なライバル俳優も貶めていく。人を蹴落とし、金と権力のある者に擦り寄る「野獣」と化した彼は、パーティの場で一人の盲目の娘と出会う。「あなたのことははっきり見えます。あなたは闇の野獣」と言い放つ娘に、彼は戸惑いながらもその場を去る。

帰宅した彼の部屋には、見知らぬ枯れた薔薇の鉢があった。捨てようとした途端、激しい衝撃と病に襲われ、孤独のうちにダウンする。そこへ現れたのは、一匹のキツネ。「大事なことは目に見えない」と語るキツネは、実は盲目だったが、心の目で世界を感じ取ることができた。キツネの手を握り目を閉じた時、若者は初めて、物心つく前に亡くした祖父の温もりを思い出す。「みんなの中に、じいちゃんはいる」――キツネの言葉に導かれ、彼は以前エージェントからかかってきた電話に出る。彼は笑ったりせず、ただ心配してくれていた。若者の言葉は、ちゃんと通じた。

キツネは誕生日、若者からの赤い手袋のプレゼントを受け取り、「もうお別れ」と告げて息を引き取る。しかし「私はいつも、この世界のどこにでもいる」という言葉を残して。若者は涙の後、枯れていた薔薇に水を注ぐ。蕾に変わった薔薇は金色に輝いていた。

三年後。主演男優賞を受賞した若者は、祝福のパーティで再び盲目の娘と出会う。彼は迷わず水を差し出し、娘から一輪の見事に咲いた薔薇を受け取る。「僕には君がキツネに見える」と微笑む若者。すべてのものに愛が満ちている世界で、金色に輝く薔薇が、静かにそこにあった。


Chapter2 Beauty or Beast
2025年2月24日(月祝)開演 19:00 開場 18:15

脚本・演出・作画 中井由梨子
音楽       河谷萌奈美
音響       鈴木彰
CG制作     武内哲郎

〈出演〉
石川薫
青木彩

〈声の出演〉
石川薫
青木彩
石井彩友美
咲貴
SahoooN.
峯統哉
杉崎あめり
藍川ゆとり

〈主題歌〉
いつか花を
作詞 中井由梨子
作曲 河谷萌奈美
歌  天丸翼

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