2025.3.23

Chapter3 I am the Sun-みにくいアヒルの子

ある小さな田舎町の公園。穏やかな日々を送る独り身の青年は、桜を眺めながらベンチでうたた寝をしていた。突然、何かが彼のおでこにぶつかる。拾い上げると、それは古びた五円玉だった。泥や埃を拭おうとハンカチでこすると、五円玉から白い煙が噴き出し、スーツ姿のビジネスマン――「ゴエン」と名乗る奇妙な男が現れる。ゴエンは「願いを三つ叶える」という「ご縁の鍵」の精だった。

願いを聞かれた青年は「結婚したい」と答える。ゴエンに「その奥にある本当の望みは?」と問われ、青年は「心が温かくなりたい。幸せで胸を満たしたい」と気づく。光る鍵を選び、空中の扉を開くと、彼は隣街の遊園地に飛ばされた。

そこで青年が出会ったのは、厚い眼鏡と帽子で顔を隠した、不思議な雰囲気の女性。彼女は人懐っこくも謎めいていた。彼女は遊園地で清掃員として働いていたが、脳に障害があるという理由で同僚や父親から疎まれ、「病院に入れよう」とされていること、そして昼間は人目を恐れ、夜だけが自分らしくいられる「夜の住人」であることを青年は知る。

青年の前で彼女は、遊園地の設備を全て動かし、さらには自室に溢れ返る無数の鍵を使って世界中の絶景を覗いて見せた。しかし彼女は「自分には向こうの世界に行く資格がない」と言い、扉の向こうへ踏み出すことができない。青年は「夜の桜を見に行こう」と優しく手を差し伸べ、自分の最後の鍵を彼女に譲る。「世界は美しい。自分の目で確かめてこい」と。

ゴエンの鍵を受け取った彼女は、初めて扉の向こうへ旅立つ。そして――結婚行進曲と共に、純白のウェディングドレスに身を包んだ彼女が、満開の夜桜の下に現れた。誰も見ようとしなかった彼女の本当の美しさを、青年だけが知っていた。二人は手を取り合い、踊る。もはや彼女の中には「できない」という呪縛はなく、「健やかなるときも、病めるときも」という結婚の誓いを、観覧車のような月の下で交わすのだった。

こうして、みにくいアヒルの子は白鳥になり、青年と彼女の願いは、無限に叶い続けるのである。


You are the One
Chapter3
『I am the sun~みにくいアヒルの子~』

2025年3月30日(日)19:00(開場18:15)
¥5500(税込・1drinkとプチギフト付)

脚本・演出・作画 中井由梨子
音楽 河谷萌奈美

振付 sahoooN.
CG制作 武内哲郎
音響制作 鈴木彰

主題歌「世界は美しく人生は楽しい
作詞 中井由梨子
作曲 河谷萌奈美
歌 杉崎あめり

<出演>  
峯統哉
石井彩友美

石川薫

<声の出演>
峯統哉
石井彩友美

青木彩
咲貴
sahoooN.
杉崎あめり

石川薫

<語り> 
藍川ゆとり

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